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2016年1月1日
「レガシーシステム」という言葉をご存じでしょうか。英語で言う「legacy」とは、「世代から世代へ受け継ぐもの」とか「遺産」といった意味がありますが、どのようなものなのか答えられる人は少ないかもしれません。しかし、レガシーシステムの内容を知れば、多くのIT系ビジネスマンにとって非常に身近な問題として受け止められるはずです。
今回は、この「レガシーシステム」とはどういったことを意味するのか、そして、この問題を解決していく糸口にはどのような策があるのか詳しく解説します。
目次
レガシーシステムは、わかりやすく言うと「時代遅れの古くなったシステム」のことをいいます。
「legacy」というと、後世に業績として高く評価されるような事柄といった前向きなワードとして使われることもありますが、ITの世界での「レガシーシステム」とはIT業界における問題点として使われます。
具体的には、レガシーシステムは企業などで導入されてから相当の時間が経過しているため拡張やメンテナンスがしづらく、新技術やこれからのビジネスモデルなどに対応できません。すでにより先進的な技術の方が一般的になっていることもあるでしょう。
このような理由で、レガシーシステムは別名で「技術的負債」とも言われます。
古いシステムであるレガシーシステムを継続利用していくと、どのようなことが起こるのでしょうか。主な事例を見ていきましょう。
レガシーシステムは、オープンソースソフトウェアやクラウドといった新技術の導入を想定していないクローズドなシステムで、古い技術を使っています。そのため、新技術を取り入れようとしてもかなり大がかりな修正をしなくてはなりません。
レガシーシステムを利用している企業は、古い技術に対応できる人材が高齢化し会社を辞めるなどして、人材確保が困難になります。
例えば、現在もアップデートされ続けている50年以上前に発表されたプログラミング用語がありますが、対応できる人材の多くは高齢者です。つまり、基本的な仕組みを理解しつつ処理できる人材の数が減っていくので、企業は常に人材確保問題に悩まされることになります。
レガシーシステムを利用していると、必須の情報処理対応についていくのが難しいためシステム障害が起こりやすくなります。また、機能の追加や補修などに関して独自の構築を続けてきたレガシーシステムでは対応に時間を要し、かなり重いシステム障害が発生することもあります。
システム障害が企業に与える経済的損失は、国内企業1社あたり2億円以上という調査結果もあり、システム障害がいかに大きなリスクなのかがわかります。
レガシーシステムの弱みを解決していくためには、時代遅れだと見なされる古いデバイスやシステムを排除し、新技術のみでコンピューターやシステムを構築していく手段があります。これを「レガシーフリー」と呼び「古いものからの解放」を意味します。
または、今まで開発者以外がメンテナンスするのが難しかったレガシーシステムをオープン化して、システム変更や修正、追加などを容易に行えるようにするのも有効手段です。オープン化すると独自仕様ではなくなり、機能拡張が進んで使用できる選択肢も増えていくでしょう。
レガシーシステムとは、一般化しつつある新技術に対応できない古いシステムを指します。これまで貢献し続けてきたシステムではありますが、古いシステムであるがゆえにシステム障害や人材不足、最新技術導入の乗り遅れなどさまざまな問題が生じてきます。
これらを解決していくには、新技術のみでシステム構築し直す「レガシーフリー」か、レガシーシステムのオープン化が糸口になるでしょう。
組織や国のトップが長い間実権を握っているとほころびが生じるのと同様で、システムも長い間同じものを使い続けるとなにがしかの問題点が目立つようになります。特にITの世界では企業組織の存続と繁栄のためにも、レガシーと呼ばれるものを上手に取り除きながら新技術を導入していくことが望まれます。
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