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2016年5月1日
一昔前、「ipアドレスから住所を特定できる」という噂がネット上で飛び交っていたことご存知でしょうか。架空請求サイトなどでも「ipアドレスを押さえたので住所が特定されました」といった文言があるとドキッとしてしまいますね。
この噂は実際本当なのでしょうか?今回はipアドレスから住所を特定できるのかについて徹底調査していきたいと思います。
目次
まず初めにipアドレスとはいったい何なのか?その特徴や特性についてご紹介していきたいと思います。
ipアドレスとは「パソコンが持つネット上の名前」です。ネット上では様々な機器からアクセスが飛び交っています。その中で適切に応答を返していくために、「どの機器からリクエストされたアクセスなのか」を判別する手段としてipアドレスが用いられているのです。
ipアドレスは0.0.0.0~255.255.255.255まで存在します。ただし、一部アドレスはブロードキャストなど特別な用途に使われており、ipアドレスとして割り当てられるのは上記範囲の中の一部です。
先ほど説明した通り、とあるアクセスに対して、それがどのパソコンからのものであるかが分かればよいのです。そのため、ipアドレスは常に一定である必要はなく、アクセス毎にipアドレスが変わっても問題ありません。この時、パソコンは現在世界中のどこでも使われていないipアドレスの中から必要な時に都度取得して利用します。これを動的ipアドレス(DHCP)と言います。
個人で利用している場合、ほとんどがDHCPを利用しています。
これに対し、企業向けシステムなどでセキュリティ面などの理由からipアドレスを指定し、指定されたipアドレス以外の通信を許可しないようにする場合があります。そのような設計とした場合、都度ipアドレスが変わってしまっては困りますね。そのため、明示的にipアドレスを設定してアクセスの度にipアドレスが変わらないようにします。これを固定ipアドレスと呼びます。
ではipアドレスから住所を特定することはできるのでしょうか?すでにお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、動的ipアドレスを利用している場合、個人を特定することはできません。なぜなら取得したipアドレスはその時たまたま使われたものであり、時間がたつと別の人が利用しているかもしれないためです。
しかし、住所を特定とまではいかなくても地域を特定することはできるかもしれません。こちらについて詳しくご説明します。
固定ipアドレスを利用する場合、ipアドレスを他の人が利用できないように登録が必要となります。これが学校や企業名で登録されていれば相手を特定することができます。
しかし、通常はプロバイダと契約しているため、固定ipアドレスから相手を調べてもプロバイダ名しか分かりません。
ipアドレスは一般的に分かりにくく、かつ動的ipアドレスの場合は一定でないため、コンピュータを特定するものとしてipアドレスに紐づく名前が存在します。これがホスト名です。
ipアドレスからホスト名を検索することができ、ホスト名に企業名や地域名などが含まれていれば相手先がある程度特定できるかもしれません。
一部のプロバイダでは、ipアドレスの範囲を地域ごとに分けています。そのため、ipアドレスがどの範囲にあるかによって地域を特定することができる場合があります。
皆さまいかがでしたでしょうか?今回はipアドレスから住所を特定できるかについてご紹介しました。
結論としてはipアドレスから住所を特定することはできません。ipアドレス自体は簡単に取得することができるため、ipアドレスから個人情報が特定できるとなればセキュリティの観点から考えても看過できるものではありませんね。
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