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2016年1月1日
中小業の生産性向上を目的として、IT化を促進するための取り組みが経済産業省により進められています。その中で特に中小企業、小規模事業者への事業プロセスのIT化をサポートするための制度がIT導入補助金です。人手不足に悩む小規模事業者にとって、ITを利用した業務効率化は切り札となる経営改善策。この補助金は最大でIT導入費用の半額を補助してくれます。この記事ではIT導入補助金の内容と手続きについて解説します。
目次
IT補助金は正式名称をIT導入補助金といいます。中小企業、小規模事業者が日常的な業務をIT化することで業務を改善するための計画を援助するための制度です。すでに基本的な電子機器は導入されている企業が追加でITツールに投資する場合、その初期投資額を補助してくれるのです。補助額は450万円を上限として投資額の50%。最大で900万円までの投資が半額で済むということになります。
補助金の対象となるのは中小企業、小規模事業者によるITツールの導入事案です。ITツール導入にあたっては指定のIT導入支援事業者に相談し、適当な情報ツールの提供や導入を支援してもらうことになります。補助金の交付申請は事業主体である中小企業、小規模事業者が行い、導入されたITツールは導入支援事業者から登録申請されます。導入後の効果については双方から実績を報告しなければなりません。
企業以外の法人であっても日本国内で事業を営んでいる団体であれば対象となります。医療法人や学校法人、中小企業団体や組合も補助の対象です。水産加工業者や事業協同組合、商店街振興組合などの事務改善へのIT導入もこの制度を利用できます。
事業主の業種は資本金3億円以下の製造業、建設業から5,000万円以下のサービス業、小売業まで広く認められています。日常業務のIT化による生産性改善が目的ですので、人事や会計など経営の基本的な機能部分のIT化が改善目標となる場合が多くなります。こういった業務をIT化すれば日常業務のルーティン部分に人が手をかける時間を削減し、もっと重要な業務にあたることができます。
補助金の対象となるITツールとは、事業者の業務生産性向上に役立つソフトウェアのことを言います。このソフトウェアに付随する役務・オプションがある場合は、この金額もこれに含めて補助金の対象となります。ソフトウェアは三つに区分されており、それぞれ下記のパッケージを含んでいます。
業務パッケージ
1. 顧客対応・販売支援
2. 決済・債権債務・資金回収管理
3. 調達・供給・在庫・物流
4. 人材配置
5. 業種固有プロセス(実行系)
6. 業種固有プロセス(支援系)
7. 会計・財務・資産・経営
8. 総務・人事・給与・労務
効率化パッケージ
9. 自動化・分析
汎用パッケージ
10. 汎用
オプション
機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ製品、ホームページ関連費
役務
導入コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート
このうちのいくつかを組み合わせてシステムにすることもOKです。補助金の対象となる業務の効率化がどんな種類の作業か、イメージしていただけると思います。
自社の事業のIT化を具体化するにあたって、まず指定のIT導入支援業者とその中身を決定し、導入するITツールを選定します。対象とする業務パッケージごとに、それぞれ専門のソフトウェアが用意されていますので支援業者と打ち合わせて使いやすいものを選びましょう。
交付申請書への具体的な情報の記入は事業者と導入支援業者が協力して作成していきます。導入するツールの情報と合わせて導入後5年間の事業計画を提出しなければなりません。導入支援業者にはしっかり説明しておく必要があります。
参考にこれまでにIT導入補助金の交付を受けた事例をいくつか紹介しましょう。導入効果が高いとされるITツールの代表にRPA(Robotic Process Automation)があります。ソフトウェアの自動的に操作によってデスクワークを削減するシステムです。例えばエクセルで同じ作業を繰り返し行うような業務では、その作業をRPAに登録すればそのソフトウェアの作業を自動化してくれます。毎月発生する売上管理やお客様ごとに複数のエクセルファイルを作っている場合など、ルーティン化可能な処理をRPAが自動で処理してくれます。
直行直帰型の業務が多い事業では勤怠管理にスマホや電子タグを使うことで、人事業務を大幅に改善することが可能です。タイムカードを自動化して勤務時間の管理や給与計算とリンクさせれば、作業性の改善とあわせてペーパーレス化を進めることもできます。
お客様と直接接するフロントオフィスをIT化するツールは売上増へつながる強力な拡販ツールになります。ポイントセールスの情報と顧客リストをリアルタイムで参照して必要な情報を取り出したり、お客様の過去の購入履歴を分析してプロモーションをかけるなど、マーケティングツールとしても強力なツールとなります。
注意していただきたいのは、補助金の対象になるのは補助金交付が決定した後に発生した費用でなければならないこと。先行して行った投資や、補助金を見込んで前倒しで導入したツールは補助金の対象にはなりません。
このIT補助金制度のありがたいところは、補助金申請が可能なツールを選択・提供する支援業者がそのまま補助金交付申請できること。従業員の勤務時間の短縮や生産性向上など業務効率改善に悩んでいる中小企業の方は、近くにある指定の業務コンサルタントに相談してみましょう。IT導入補助金制度を活用して、働きやすく、生産性の高い事業を作り出してください。
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