その他
2017年3月15日
こんばんは。
Laf Designの後藤です。
前回の『創業計画書を作成しよう!!』の続きとなりますが、日本政策金融公庫の書式の中の「⑧事業の見通しについて」もかなり重要な部分になるので、今回で詳しくご説明させていただきたいと思います。
実際に運営していく中でこの計画が甘いと、開業早々に資金繰りが苦しくなって、たちまち廃業となってしまう例も多々ありますので、しっかりと事業の見通しを考えるようにしましょう。
この項目では「創業当初」と「軌道に乗った後」のそれぞれについて、月平均の数字を入力して簡単な損益計算書を作成していきます。
右のスペースにその数字となった理由や根拠を書かないといけないので、より具体的に考えなければなりません。
まずは売上高①ですが、売上高は[客単価×客数]または[販売単価×販売個数]で表されるので、
商品やサービスの平均単価はどのくらいか?
1日の来客数はどのくらいか?
を考えてそれを月日数で乗じると月の売上高になります。
◎例えば〔居酒屋風お好み焼き店〕の場合
【売上高②】は、
一人あたり単価を2,000円(お好み焼き1枚800円、1品物200円、ビール2杯1,000円)と計算し、1日来客数10人と予想すると
客単価2,000円×10人=20,000円
これを月の営業日数25日で乗じると、20,000円×25日=500,000円…①
となります。
創業当初なので、来客数を比較的少なく見積もっておきましょう。
あまり楽観的すぎる数字だと開業後に痛い目をみるので・・・
私も経験ありです。(^-^;笑
次に【売上原価②(仕入高)】についてですが、
お好み焼き屋の原価は一般的に20%~25%といわれているので、こちらも厳しめに25%で計算します。
月商500,000円×25%=125,000円…②
ここまでで売上から原価を引いた粗利益がある程度見えてきます。
粗利益375,000円=500,000円-125,000円
続いて【経費③】、
いわゆる固定費になりますが、人件費は(注)にあるように、個人営業の場合は含まないと書いてあるので、残った利益から店主や社長の給与を分配という形になります。
家賃はそのままテナントの賃料と、駐車場等を借りていたらそれも含めて記入します。
次に支払利息ですが、これは開業資金借入の利息になります。
希望の借入額に利率を乗じて12ヵ月で割ります。
借入額3,000,000円×2.5%÷12ヵ月=6,250円
※開業融資の利率は近年の平均は2%~3%です。融資担当者に確認してみるといいでしょう。
その他は水道光熱費や広告料、電話・インターネット契約料や警備費用等諸々の毎月固定でかかる費用になります。
ここもそれぞれ1つずつ個別で出していき、最後まとめた金額を入力します。
水道光熱費20,000円/広告費 20,000円/電話・インターネット契約料 7,000円
/警備費用 8,000円 計55,000円
これで経費の合計③が入力できます。
家賃100,000円+6,250円+55,000円=161,250円…③
これですべての数字が出たので、最後は【利益(①-②-③)】を計算します。
500,000円-125,000円-161,250円=213,750円
以上で創業当初の売上高や利益の予想ができました。
は一見多いようにも思えますが、ここから借入金の返済や税金、ご自身の給与(年金、健康保険等)を支払わなければならないので、最初の内は思うように手元に資金が残らないことが多いと思います。
創業当初は赤字になる企業も多いですが、最初から赤字の計画を立てずに
「最低限このくらいの利益は確保できるだろう!!」
という厳しめの計画を立てるようにしましょう。
☆創業当初から赤字ではそもそも返済原資を賄えていない状態なので、返済原資と税金を支払えるくらいの利益は必要!!
続いては「軌道に乗った後」ですが、同じ要領で入力していきます。
商売を替えない限りは売上原価や経費を大幅に減らすことはできないので、半年後か遅くとも1年後には来客数や客単価を増やして、売上高を上げていかなければなりません。
こちらも希望的観測ではなく、どのくらいまで売上高を上げれそうかを考えて記入していきます。
右にスペースがあまりないので、
来客数が半年後や1年後に倍になっている!!
とかお酒やおつまみ等のメニューを増やして客単価を上げる!!
等の思い描いていることを、「軌道に乗るまでの具体的な計画」として別紙に作成して提出するのもオススメです。
別紙で提出する程計画を考えて細かな数字が入力できたら、『創業計画書』にもかなり信憑性が増すので、開業資金借入の審査も有利になるのではないかと思います。
また開業後の収支もある程度予想がつくので、経営的にも安全ではないかと思います。
開業準備はいろいろとやることが多いので忙しいとは思いますが、開業資金の借入ができないとそもそものスタートを切れないので、しっかりとこの機会に「事業の見通しを考えてみる」ということが必要ではないかと思います。
今後は開業後の集客方法等もご紹介できればと思います。
長々とお読みいただきありがとうござます。
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